# 32
都営三田線、ちょっとさみしい白山駅から、もっとさみしい夜の白山通りをちょっと歩けば、商店街からちょっと離れたところに(←もはや鉄則)……あった!これまでアメリカンな店は数見てきたが、ココの店はちょっとカッコイイ。アチラのTVドラマのセットをそっくりそのまま持ってきたのでは……というぐらいの筋金入ったカッコ良さがある。落ち着いた色合いのレンガ壁をバックに、ココからこのまま音楽番組が放送できそうだ。全面ガラスの店正面、入るとすぐ左右にテラス席。そこから短い階段を下って一段低くメインフロアがある辺り、実に計算されている。カウンター席から外を見上げるその構図もむろん計算ずくだろう。
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カウンターに座る。正直言うと、バーガー食べてはこのような報告を上げている以上、ある種の疚(やま)しさと言うか、そこまででないにせよ、なるべく目立たぬ客で居ようとか、お店の人の視界に入らぬ場所に位置取りしようとか、そういうことは常に思うことなのである――この頃は。それが今回よりによってカウンター=お店の人の目の前を選んだのは……照明が明るかったから。このライティングならイイ画が撮れる。カウンターには見てのとおり無数の酒瓶、グラス――そう、ココはれっきとしたバーである。カウンターに座った運命で、マスターの奥さんと自然に会話が始まり、最終的には居合わせた常連客も交えて談笑していた。家族的な気軽さに満ちている。
マスターがハンバーガーの話を始めた……自分はバーガーの値段は500円が限界だと思っている――。だからその上限ギリギリまでクオリティを高めたバーガーを作る――。去年は凶作でレタスはじめ野菜の値段が高騰したため、儲けがほとんど出なくて泣きたくなった――そんな立ち入った話まで聞かせていただいた。ハンバーガーショップを構えて十余年のマスターの言葉である。言葉の重みが違う。もっともっと聞いてみたくなった。
大恐慌kclibrary
さて――ワンズバーガー¥500。白いバンズは甘くて、裏側がカリカリによく焼けている。パリッとしたレタスとトマトの間にピリッと辛いワンズソース――コレは単なるサルサソースでなくミートソースでもなく、オリジナル。ポイントはピーマン。サルサには欠かせない材料だが、本家以上にビターな風味を呼び、離陸したら飛びっぱなしの辛さとは違う、しっかりと地に足の着いた収まりよい辛さを生み出している。ソースの下にはきれいに刻まれたオニオン。このオニオンとソースの組み合わせが抜群だ。
そして主役=パティ。100g、直径小さ目で代わりに高さが半端でない。これだけ分厚いものに火を通そうとすると、表面が焦げるばかりで内部までなかなか火が通らない。そこでマスターはパティ焼き用のフタを自作した。旨味の際立つ、食べやすくてイイ味。ソースのピリ辛がリードする中、オニオンとレタスのシャクッとした食感、バンズの甘さ、そしてパティの旨味が巧く混ざり合った逸品。
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チーズバーガー、こちらも¥500。バーガーメニューはオール500円。こちらはバンズの下にまずケチャップがバーンと幅を利かす。オニオンとピクルスを程好くブレンドしたみじん切り。そして問題のチーズ――ホワイトチェダーとレッドチェダーを2枚重ねて使っている。
確かにチーズバーガーにおけるチーズの存在感というのは意外と希薄で、はっきりとチーズの味がするバーガーにお目にかかれるのはごく稀。大概が全体の味を多少マイルドにするとか、そうした役割のひとつに甘んじるものばかりだ。そんな物足りなさを解決すべく、マスターは2枚重ねにすることを考えた。最初ホワイトチェダー2枚でやってみたが、まだ足りない。そこで2枚目をレッドにしてみたと――。この2枚重ねは目玉焼きのようである。パティを覆うように薄く伸びるホワイトチェダー、その中心に位置するレッドチェダーはまるで真っ赤な黄身のよう。
このチーズのダブルパンチは正直私の口にはやや塩辛いのだが、実に実に濃密で「食べたー!」感全開だ。濃い味のケチャップと濃厚なチーズとの絡み――コレは日ごろこよなくマックを愛する向きにこそむしろオススメしたい。いや決して悪い意味ではない。マックが126円でテキトーやってることを、その4倍の予算をかけて、心を込めて一生懸命作ればきっとこうなる筈――というバーガーだと思う。余計なものがない、冗長でない、無駄がない、スマートな、マスターが唱える500円上限説をそのままに実行した、技術と思考と経験の結晶。
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